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ブルースのスキャット

今日は、ヴォーカリストの友人に簡単な理論を説明していました。

ほかの生徒さんもそうですが、彼女は独自の世界観を持っている素晴らしいヴォーカリストなので、あんまり教えているつもりもなく、たんにわたしが知っている情報をシェアしている感じです。

 

彼女からも、よくいい動画や情報をシェアしてもらっているので、とても感謝しています。

前回もブルースについて勉強して、キーボードを弾きながらスキャットをすることがほとんどできていたので、今日はすぐ終わるだろうなと思っていたら、案の定始まって5分で終了。

できてます笑笑

 

一生懸命、前回説明したことを復習して練習してくれていて、ほんとうにこれ以上わたしからいうことはなかったのですが、本人はできていないと思っていました。

以前、Cathy Segal-Garciaさんのワークショップに参加して印象的だったのは、あるヴォーカリストさんが、

 

変な声、間違った音を出すのが怖くて身体が固まるんです。

 

と相談したときに、

 

じゃああなたが思う、最悪に汚い声、変な音を出してみてください、

とキャシーさんがおっしゃったことです。

 

そのかたは、すこし躊躇いながら、アーと声を出されたのですが、そのあとキャシーさんが、みんなに、

 

みなさんどう思われましたか?

 

と聞かれました。

 

その場にいた全員、わたしも含めて、みんな、お世辞ではなく、誰もそんなに変だとは思わなかったのです。

 

そのときにキャシーさんが、

ほらね。ものすごく変な音を出そうとしても、実際にはそこまで自分が思うような汚い声や音じゃないんですよ。

 

間違えたらその間違いを使って次のフレーズを作ればいいだけです。

それは人生そのものなんです。

 

失敗しても歌い続けるあなたの姿は、周りの人を励ましているんですよ。

 

とおっしゃって、いまでも嬉しく覚えています。

 

ただ、耳のいい方や、ものすごくたくさん聴きこんで来られた方は別として、とくに歌は、何もないところでいきなりスキャットしようとすると荒野に放り出された感が満載になるので(わたしはいまだにそうです)、すこしずつ鍵盤と仲良くなりながら、コードの中で自分が好きな音や響きを探して、その音を歌う練習をするのが、時間はかかっても着実に身につくように思います。